mokomokorabitsの日記

ハイヒールやフレアスカートが似合う女性を目指したい

M先生の誕生日

 今日は、中学校の時のM先生の誕生日だ。

 その人は部活の顧問の先生で、当時はまだ20代の若手の女の先生だった。今もまあ若いほうだろうけど…

 私が中学2年のときに顧問になって、私は最初はその先生のことがとても好きだった。それまでの顧問の先生が結構厳しめで恐れていたから、年齢が近くて話しやすいM先生は親しみやすかったのだろう。

 部活を引退するまでのあいだ、M先生にはたくさん励ましてもらった。試合でミスをしてチームが負けて落ち込んでいたとき、「あんたは1ミリも悪くない」と言ってくれたこと、ピンチサーバーだった私が攻めるサーブを打つ勇気が出なかったとき、「やってから後悔しなさい」と言ってくれたこと。部活ノートにいつも細かくコメントをくれたこと、腰痛や熱中症のことも心配して声をかけてくれた。

 部活をやっているときの私は、M先生のことが好きだった。先生のおかげで、理不尽で嫌な箏ばかりだった部活も引退までなんとかやりきれたし、引退した後も、M先生に学校内で見かけて、少し言葉を交わすだけで気分が弾んだ。

 

 だけど、中学を卒業して高校生になって、妹が同じ部活に入り、M先生の話を聞く中で、本当にいい先生だったのか?と疑いを持つようになった。妹はM先生のことが嫌いで、母も先生のことは認めておらず、悪口を聴く機会のほうが多かったから、ある意味流されていたのかもしれない。

 冷静に考えれば確かに、M先生に未熟な部分はたくさんあった。私たちの学年で起こっていたいじめを見て見ぬふりをしていたし、誰かが他の部員を攻撃する発言を先生の前でしても、叱るようなことはしなかった。その部員は学年内でもヒエラルキーが高く、先生の悪口もよく言うような生徒だったから、先生も怖かったのだろう(私もその子の機嫌で無視されたり悪口を言われたりした)。先生もまだ若かったから、中学生女子を指導するには経験値が足りなかったのだろう。だからと言って、明らかに悪い行動をする生徒を目の前で見ておきながら注意をしないのは先生として決して正しくないし、先生の目の前で生徒がそんな行動をとる時点で先生としてなめられていたのだろう。

 そんなこんなで、当時のことを思い出すとM先生に何かと至らない点があったことに気づき、私はいつの間にか、母や妹と一緒にM先生の悪口を言うようになっていた。

罪悪感を少し感じながら、でも正当性は自分にあると思っていた。

 

 だけど、理不尽なことばかりで、思い出してもほぼ嫌な記憶しかない、ライングループも高校卒業と同時にさっさと退会したあの中学時代の女子バレー部を、私がなんとかやりきったのは、少なからずM先生の存在があったからだ。私は当時M先生に支えられていた。何度も励ましてもらって、元気をもらっていた。M先生が教師としては未熟で間違っていた部分があったとしても、私がM先生に助けてもらっていたのは事実だ。

 そんな人のことでも、周りに流されれば悪く言えるのだ。

 部活を引退して5年経って、悪口を言いながらも、やっぱりM先生をどこかで好きな自分がいることに気づいた。

 だからもう、M先生のことを悪く言うのはやめる。

 何年か前に結婚して、学校も転勤して今どこにいるのかわからないけど、幸せでいてほしい。私のことは別に忘れてても構わないから、また、私みたいな中学生を励まして、元気づけて、支えとなる先生でいてほしい。